位置の目安
膝のお皿の外下から指4本分ほど下がり、すねの骨の外側へ指1本分ほど移動します。前脛骨筋のふくらみで、押すとじんわり響く場所が目安です。
押し方
- 座って膝を軽く曲げ、足の力を抜きます。
- 親指または中指で、奥に向けてゆっくり押します。
- 左右それぞれ30秒ほど、呼吸を止めずに行います。
- 妊娠中や体調に不安がある時は、強い刺激を避けてください。
東洋医学での見方
足三里は胃経の合穴で、胃の気が最も深く流れ込む経穴とされます。脾胃は「後天の本」 — つまり生まれた後に食べ物から作られる気血の源と考えられており、足三里はその力を支える代表穴として位置づけられています。
古典の四総穴の一つで「肚腹(とふく)は三里に留む」と言われ、お腹周りのあらゆる不調にまず触れられてきた経穴です。日本でも江戸時代から「長寿のツボ」として灸が据えられ、養生・体力作りの文脈で長く使われてきました。脾胃の弱り(脾気虚)、消化不良、慢性的な疲労、下半身の冷えなど、体の根本的な底上げが必要な場面で選ばれます。
このため足三里は、疲れやすさ(後天の気血生成を助ける)、お腹の滞り(胃経の合穴・四総穴としての本来の働き)、冷え(脾陽を温め、気血を末端まで運ぶ力を養う)といった症状の手がかりとして使われます。
現代的な見方
足三里は下腿前外側、膝蓋骨外側下端のくぼみ(犢鼻)から指4本下、脛骨外側のへりにあります。深部には前脛骨筋が走り、皮下を深腓骨神経と外側腓腹皮神経が分布します。皮膚分節としてはL4〜L5領域に含まれ、足首の背屈や母趾伸展に関わる経路と重なります。
筋膜のラインで見ると、足三里はSuperficial Front Line(前脛骨筋〜大腿四頭筋〜腹直筋〜胸鎖乳突筋)上にあり、東洋医学の胃経の経路とも近接します。下腿前面の張りが、姿勢や呼吸の浅さに連動する例が現場で観察されることがあります。
研究領域では、迷走神経刺激と消化管運動・腸内環境・抗炎症経路を扱う基礎研究が積み上がっている経穴の一つで、胃の運動・食欲・免疫指標への影響が議論されています。腰下肢の整形外科的な不調と区別し、長引く症状は医療機関での評価をおすすめします。
このため足三里は、疲れやすさ(迷走神経経路を介した抗炎症・恒常性回復の議論)、お腹の滞り(消化管運動への影響を扱う基礎研究の積み重ね)、冷え(前脛骨筋〜下肢前面の筋膜・末梢血流への作用)といった症状で取り上げられます。
注意
ツボ押しは体の反応を見るためのセルフケアです。強い痛み、しびれ、急な症状、長く続く不調がある場合は、自己判断で続けず医療機関へ相談してください。




