位置の目安
足底、かかとの中央のくぼみ。土踏まずではなく、かかとの真ん中です。
押し方
- 親指でじんわり、10秒押して5秒緩めるを3回。
- お灸が古典的な使い方です(市販の温灸シールも可)。
- 寝る前に布団の中で行うと向いています。
- 強く押しすぎないことが大切です。
東洋医学での見方
失眠は経外奇穴に分類される経穴で、文字通り「眠れない時に使うツボ」として古くから知られています。腎経の流注に近く、腎の力で気を下に引き戻す働きと結びつけて使われます。
失眠が選ばれるのは、「気が上にのぼって眠れない」(上熱下寒、心腎不交)状態。頭は冴えているのに体は疲れているという、夜のアンバランスにまず手が向けられる経穴です。
このため失眠は、眠りの浅さ(上にのぼった気を足裏まで引き戻し、心腎の交流を取り戻す)の手がかりとして使われます。
現代的な見方
失眠は足底、踵骨(しょうこつ)の中央に位置します。皮下に内側足底神経・外側足底神経が分布し、深部に厚い踵骨脂肪体と足底腱膜が広がります。皮膚分節としてはS1〜S2領域に含まれます。
筋膜の視点では、足底はSuperficial Back Line(足底腱膜〜下腿後面〜ハムストリングス〜脊柱起立筋〜後頭部)の最末端にあたります。足裏の刺激が体の後面全体の緊張に届くと説明される根拠の一つです。
研究面では、足底への温熱刺激や圧刺激が副交感神経活動と末梢血流に与える影響を扱う報告が積み上がっています。あくまで研究の方向性であり、効果の断定ではありません。
このため失眠は、眠りの浅さ(足底刺激から副交感優位への切替、Superficial Back Line を介した全身の弛緩)といった症状で取り上げられます。
注意
ツボ押しはセルフケアです。糖尿病などで足底の感覚が鈍い方は、強い刺激を避けてください。



