表情の左右差と鍼灸
表情の左右差の背景は、人それぞれ違います。
写真を見るたび、口角の高さやほうれい線の深さの違いが気になる――
左右差は誰にでも多少あるものですが、日々の癖の積み重ねで目立ちやすくなることがあります。
このページでは、表情の左右差を身体全体の流れの中でどう捉えているか、
鍼灸でどう向き合っていくかをお話しします。
症状の捉え方
西洋医学の視点
顔の骨格や筋肉のつき方には、もともと誰にでも多少の左右差があるとされています。その上で、いつも同じ側で噛む咀嚼の癖、頬杖、横向き寝、無意識の噛みしめ(食いしばり)などによって、表情筋や噛むための筋肉の使い方に偏りが積み重なると、左右差が目立ちやすくなると考えられています。一方、急に現れた左右差は、顔面神経麻痺など神経の障害が背景にあることがあり、日常的な左右差とは分けて考える必要があります。
東洋医学の視点
顔には手足の「陽」の経絡が集まっているとされ、東洋医学では、口や目のまわりが片側にゆがんで動かしにくくなる状態を「口眼喎斜(こうがんかしゃ)」と呼び、顔面部の経絡の流れが妨げられて起こると考えてきました。日常的な左右差についても、ストレスなどで気の巡りがとどこおる「気滞(きたい)」、血の流れが滞る「瘀血(おけつ)」、巡らせる力そのものが不足する「気虚(ききょ)」など、顔だけでなく全身の気血の状態から読み解いていきます。同じ左右差でも、背景は人によって大きく異なります。
鍼灸でできること
美容鍼灸では、お顔の表情筋や噛むための筋肉のこわばりをゆるめながら、首・肩、そして全身の気血の巡りもあわせて整えていきます。左右差を完全になくすことを目指すのではなく、緊張の強い側をゆるめ、使えていない側が働きやすい状態へ近づけていくイメージです。お顔だけを見るのではなく、姿勢や噛み癖、ストレスによる食いしばりなど、左右差をつくっている背景にも目を向けていきます。
はりのじかんでの向き合い方
まず、どんな場面で左右差が気になるか、いつ頃から気になり始めたかをゆっくり伺います。あわせて、噛み癖・頬杖・寝る向き・日中の食いしばりなど、生活の中の癖もご一緒に振り返ります。お顔は、毎日の使い方がそのまま表れやすい場所です。鍼でこわばりをゆるめつつ、左右差を育ててしまう日々の癖を一つずつ手放していけるよう、無理のないセルフケアも一緒に考えていきます。
ご自宅でできること
※ ツボの位置は数ミリで別のツボに変わるため、本ページでは図示していません。
ご来院の際に、お一人ずつお身体に合わせてご案内します。
※ 急に現れた左右差、目が閉じにくい・閉じない、口角が下がって水や食べ物がこぼれるといった症状がある場合は、顔面神経麻痺などの可能性があるため、すみやかに医療機関(脳神経内科・耳鼻咽喉科など)の受診をおすすめしています。