肌のハリ低下と鍼灸
肌の変化の背景は、人それぞれ違います。
ふと鏡を見たとき、肌のハリのなさや乾燥が気になる。
スキンケアを重ねても、なんとなく物足りない――。
東洋医学では、肌は身体の内側を映す鏡のような存在と考えられてきました。
このページでは、肌のハリ低下を身体全体の流れの中でどう捉えているか、
鍼灸でどう向き合っていくかをお話しします。
症状の捉え方
西洋医学の視点
肌のハリやうるおいの低下は、皮膚のバリア機能の低下を土台に、加齢に伴う皮脂分泌の減少、ホルモンバランスの変化、偏った食事による皮膚の栄養低下といった内側の要因と、乾燥・紫外線・衣服の摩擦といった外側の要因が重なって起こると考えられています。さらに、ストレスや睡眠不足が悪化の一因になるとされています。
東洋医学の視点
東洋医学では、肌のもとになるのは身体を養う気・血・水(津液)と考え、血は肌の血色・弾力・艶に、水(津液)は肌の潤い・張り・滑らかさに関わるとされています。そのため、血が不足した「血虚(けっきょ=肌を養う血が足りない状態)」や、身体の潤いが不足した「陰虚(いんきょ)」では、乾燥やハリのなさが現れやすいと考えられています。また「肺は皮毛をつかさどる」といわれ、皮膚は体表をめぐる気の働きとも関わりが深いとされます。同じ肌の悩みでも、原因と背景は人によって大きく異なります。
鍼灸でできること
加齢やストレスにともなう肌の乾燥や肌荒れは、鍼灸が向き合いやすい領域のひとつとされています。お顔にはごく細い鍼を浅くやさしく用い、お顔の血流をうながすことを目指します。あわせて、こわばりやすい首や肩・背中をゆるめることも、お顔の血流を支える大切な一手と考えられています。お顔だけを見るのではなく、肌を養う気血が全身をめぐりやすい状態を整えながら、ハリと潤いを保ちやすい身体づくりを目指していきます。
はりのじかんでの向き合い方
まず、肌のことだけでなく、睡眠や食事、冷え、ストレスの様子まで、ゆっくり伺うところから始めます。肌は内側の状態を映す鏡のような存在と考えると、ハリのなさは「肌だけの問題」とは限りません。外側からのスキンケアを否定するのではなく、内側の巡りを整えることを重ねていく――そんな両輪で、焦らず肌と向き合っていきます。
ご自宅でできること
※ ツボの位置は数ミリで別のツボに変わるため、本ページでは図示していません。
ご来院の際に、お一人ずつお身体に合わせてご案内します。
※ 発熱を伴う発疹、ピリピリとした痛みを伴う皮膚の症状、急に広がる強いかゆみや湿疹がある場合は、まず皮膚科での受診をおすすめしています。