五十肩と鍼灸
五十肩は、経過とともに表情を変えていく症状です。
ふとした動きで肩に鋭い痛みが走る、夜中にうずいて目が覚める、
髪を結ぶ・上着に袖を通すといった何気ない動作が急に難しくなる――
五十肩のつらさは、痛みそのものだけでなく「いつまで続くのか」という不安にもあります。
このページでは、五十肩をどう捉えているか、鍼灸でどう向き合っていくかをお話しします。
症状の捉え方
西洋医学の視点
医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、はっきりした原因がないまま肩の痛みと動かしにくさが現れる状態を指します。痛みが強い時期、肩が固まって動きにくくなる時期(拘縮期)、少しずつ動きが戻っていく回復期へと、経過とともに段階が移り変わるとされています。運動時の痛みだけでなく、夜間や安静時の痛みを伴うことも少なくありません。
東洋医学の視点
東洋医学では、痛みを「巡りが滞って通じないために痛む(不通則痛)」「養いが届かないために痛む(不栄則痛)」という二つの視点から読み解きます。五十肩では、冷えの影響で気血の巡りが滞っているもの、瘀血(血の滞り)が刺すような痛みや夜間痛として現れているもの、気血の不足で肩まわりを十分に養えなくなっているものなど、背景は人によってさまざまです。同じ「腕が上がらない」でも、見立ては一人ひとり異なります。
鍼灸でできること
痛みや筋肉のこわばりをやわらげながら、肩関節の動きを取り戻していくことを目指します。肩そのものだけでなく、肩甲骨・背中・腕へつながる経絡を含めて滞った流れを整えていきます。肩が固まる前の早い段階からケアを始めることが望ましいと考えられており、いまがどの段階かを見極めたうえで、刺激の強さや内容を経過に合わせて調整していきます。
はりのじかんでの向き合い方
五十肩は経過が長くなりやすく、痛みと同じくらい「この先どうなるのか」という不安が重くのしかかります。まずは、いまがどの段階なのかを一緒に確認し、今日できること・まだ無理をしないほうがいいことを分けてお伝えするところから始めます。眠りを妨げる夜の痛みにはとくに丁寧に向き合い、焦らず段階を進めていけるよう伴走します。
ご自宅でできること
※ ツボの位置は数ミリで別のツボに変わるため、本ページでは図示していません。
ご来院の際に、お一人ずつお身体に合わせてご案内します。
※ 転倒などの外傷後の激しい痛みや腫れ、夜間痛が強くなり続ける場合は、整形外科での確認をおすすめしています。