膝の痛みと鍼灸
膝の痛みの背景は人それぞれ違います。
歩きはじめの一歩がこわい、階段の下りで膝に力が入らない、
正座やしゃがむ動作がつらくなってきた――膝の痛みは、年齢を重ねるほど多くの方が向き合う身近な症状です。
このページでは、膝の痛みを身体全体の流れの中でどう捉えているか、
鍼灸でどう向き合っていくかをお話しします。
症状の捉え方
西洋医学の視点
膝の痛みで多くみられるのが、変形性膝関節症です。これは関節の軟骨が年齢とともに少しずつすり減っていく変化(退行変性)を土台に、体重や日々の動作の負荷が積み重なって起こると考えられています。歩きはじめなど動き出しのときに痛み(運動開始時痛)がみられ、しばらく歩くとやわらぐのが特徴とされ、進行すると階段の上り下りや正座がつらくなり、関節の変形や太ももの筋肉のやせ(筋萎縮)を伴うこともあります。女性にやや多い傾向があるといわれています。
東洋医学の視点
東洋医学では、膝の痛みを膝そのものだけの問題とは捉えず、「冷えや湿気(寒湿)が流れをふさいで起こるもの」「打ったり繰り返し負担がかかって気血(エネルギーと血のめぐり)が滞ったもの(瘀血=血のめぐりの滞り)」「加齢や疲れで生命力をたくわえる腎(じん)の働きが弱り、膝を養いきれなくなったもの(腎虚=腎の力の不足)」など、いくつもの背景から読み解いていきます。冷えると強まる、重だるい、疲れると鈍く痛む――痛み方の違いが、お身体全体のバランスを読み解く手がかりになります。
鍼灸でできること
膝のまわりの筋肉のこわばりをゆるめながら、膝とつながりの深い太もも・ふくらはぎ・お尻の経絡を整え、滞った流れを動かしていきます。冷えがかかわる膝の痛みにはお灸で温めるなど、痛み方や体質に合わせて手立てを変えていきます。膝を支える脚全体の力や、土台となる腎の働きにも目を向けながら、痛みと付き合いやすいお身体の状態を目指していきます。
はりのじかんでの向き合い方
膝だけを見るのではなく、歩き方や立ち上がり方、脚全体の使い方、冷えの有無まで含めて、膝に負担が集まっている理由を一緒に探していきます。年齢とともにゆっくり進む膝の痛みは、無理に急がず、お身体と相談しながらの歩みになります。すでに整形外科に通われている方も、その治療を続けながらできることを一緒に考えていきますので、どうぞそのままお聞かせください。
ご自宅でできること
※ ツボの位置は数ミリで別のツボに変わるため、本ページでは図示していません。
ご来院の際に、お一人ずつお身体に合わせてご案内します。
※ 強い腫れや熱感、急な激痛、外傷のあと、安静時にも続く痛みがある場合は、まず医療機関での受診をおすすめしています。