不眠と鍼灸
不眠の背景は人それぞれ違います。
布団に入っても目が冴えてしまう、夜中に何度も目が覚める、
眠ったはずなのに朝から疲れている――眠りの悩みは、夜だけでなく日中の心身にも影を落とします。
このページでは、不眠を身体全体のバランスの中でどう捉えているか、
鍼灸でどう向き合っていくかをお話しします。
症状の捉え方
西洋医学の視点
不眠には、寝つくのに時間がかかる「入眠困難」、夜中に目が覚める「中途覚醒」、朝早く目覚めてしまう「早朝覚醒」、ぐっすり眠った感じが得られない「熟眠障害」といったかたちがあります。背景には、ストレスや心理的な緊張で覚醒のスイッチが下がりにくくなっている状態のほか、生活リズムや環境、身体の痛みや不調など、いくつもの要因が重なっていると考えられています。
東洋医学の視点
東洋医学では、睡眠は「心神(しんしん)」――精神や意識をつかさどる働き――によって保たれていると考えます。眠れなくなる道筋は大きく二つ。ひとつは、ストレスで気の巡りが滞り、こもった熱が心神をかき乱して寝つけなくなるもの(肝鬱気滞=気の滞り)。もうひとつは、思い悩みや疲労で血(けつ)や潤いが不足し、心神を養えずに眠りが浅くなったり夜中に目が覚めたりするもの(心脾両虚=消化の働きと血がともに弱った状態、陰虚火旺=潤い不足で内の熱をおさえられない状態)です。同じ不眠でも、整える方向は人によって異なります。
鍼灸でできること
お身体の緊張をゆるめながら、高ぶりを鎮める方向か、足りないものを補う方向か、その方の状態に合わせて全身を整えていきます。眠りそのものだけでなく、肩こりや冷えなど眠りを妨げている身体の不調、日中の過ごし方にも目を向けながら、自然と眠りに入りやすいお身体を目指していきます。
はりのじかんでの向き合い方
眠れない夜のことだけでなく、朝の目覚め、日中の眠気、食欲やお通じまで含めて、一日の流れをゆっくり伺います。「眠らなければ」という焦りそのものが眠りを遠ざけてしまうことも多いもの。施術とあわせて、夜を少し楽に迎えられる過ごし方を一緒に探していきます。
ご自宅でできること
※ ツボの位置は数ミリで別のツボに変わるため、本ページでは図示していません。
ご来院の際に、お一人ずつお身体に合わせてご案内します。
※ 眠れない日が2週間以上続く場合や、気分の落ち込みが強い場合は、専門機関への相談も並行することをおすすめしています。