この記事でわかること

はじめに

「東洋医学」という言葉を聞いたことはあっても、
実際にどんな考え方なのか、よくわからないという方は多いのではないでしょうか。

「鍼灸はなんとなく体に良さそう」
「でも、なぜ効くのかはよくわからない」

そう感じている方に向けて、今回は東洋医学の基本的な考え方を
できるだけわかりやすくお伝えしたいと思います。

東洋医学と西洋医学の考え方の違い

西洋医学は、体の構造や機能を科学的に分析し、
症状の原因を特定して治療するアプローチが基本です。
「この症状の原因はこれ」「この薬で対処する」という考え方です。

一方、東洋医学では、体をひとつの全体として捉えます。
どこかの部分だけを切り取って診るのではなく、
体全体のバランスや流れの状態を把握することを大切にします。

どちらが優れているということではなく、
それぞれに得意・不得意があります。
東洋医学と西洋医学は、補い合えるものだと考えています。

「気・血・水」という視点

東洋医学では、体の中を「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という
3つの要素が循環していると考えます。

気(き)
体を動かすエネルギーのようなもの。
気の流れが滞ると、体が重くなったり、疲れやすくなったりすることがあると言われています。

血(けつ)
血液に似た概念ですが、西洋医学の「血液」とは少し異なります。
体を栄養し、潤す役割があると考えられています。
血の不足や滞りが、肌の乾燥・疲れ・冷えに関わることがあるとされています。

水(すい)
体の中の水分全般を指します。
水の巡りが悪くなると、むくみや重だるさにつながることがあると言われています。

これらのバランスが保たれているとき、体は「健康な状態」にあると考えるのが、
東洋医学の基本的な見方のひとつです。

「全体を診る」とはどういうことか

東洋医学的な診察では、
「どこが痛い・辛い」という症状だけでなく、
その方の体全体の状態を確認します。

たとえば——

肩がこっている人でも、
睡眠の状況、食欲の変化、月経の状態、手足の冷え、
声のトーン、舌の状態、脈の様子など、
さまざまな角度から体の状態を把握していきます。

同じ「肩こり」でも、その原因や背景は一人ひとり違います。
だからこそ、「症状だけを見て、同じ施術をすればよい」とはならない。
東洋医学では、そう考えます。

体と心のつながりを大切にする

東洋医学には、「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方があります。
体と心は、切り離せない一体のものだという意味です。

強いストレスが体の不調として現れることは、
現代医学でも認識されていますが、
東洋医学では古くから、心の状態が体に影響を与えると捉えてきました。

「最近、気持ちが落ち込みやすい」
「ストレスで眠れない夜が続いている」

こうしたことも、体の状態と切り離さずに考えることが、
東洋医学の特徴のひとつです。

おわりに

東洋医学は、体の「症状」だけでなく、
その方の体質・生活・心の状態まで含めて、
全体のバランスを整えることを目指しています。

鍼灸はその手段のひとつ。
「なぜ今この状態なのか」「どこを整えるといいか」を
一緒に考えながら、ていねいに向き合うことを大切にしています。

次回は、東洋医学の「気・血・水」についてもう少し詳しくお伝えします。