この記事でわかること

はじめに

「春になると、なんだかだるい」
「気温が上がってきたのに、頭が重い」
「気分が上がったり落ちたりしやすくなる」

こういった声を、春になるとよく聞きます。

冬が終わり、暖かくなってきたのに
体の調子がいまひとつ……というのは
決して珍しいことではありません。

東洋医学では、季節の変化は体に大きな影響を与えると考えます。
春の体調変化にも、東洋医学的な見方があります。

東洋医学が考える「春」

東洋医学では、1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節と
それぞれに対応する体の状態・臓器の概念で捉えます。

春に対応するのは「肝(かん)」です。

東洋医学の「肝」は、西洋医学の「肝臓」とは
少し異なる概念で、以下のような働きと関係するとされています。

春は、この「肝」が活発に働き始める季節とされており、
それに体がうまく適応できないとき、
不調として現れることがあると言われています。

春に出やすい不調のパターン

東洋医学的な視点で、春に出やすいとされる不調のパターンを
いくつかご紹介します。

気の巡りの滞り
気が動きすぎたり、うまく巡らなかったりするとき——
- 気分の波が大きくなりやすい(イライラ・落ち込みが交互に来る)
- 胸のあたりがつかえる感じ
- ため息が増える
- 頭痛・首肩のこり

血の消耗・不足
活動が増える春は、気・血のエネルギーが消耗しやすいとも言われます——
- 目の疲れ・かすみ
- 肌の乾燥・くすみ
- めまい・たちくらみ
- 眠りが浅くなる

目の疲れ
「肝は目に開竅(かいきょう)する」と言われ、
春は特に目に疲れが出やすい季節とされています。
長時間のスクリーン作業は特に意識したいところです。

春に意識したいセルフケア

春のセルフケアの基本は、
「気の巡りをスムーズに保つこと」と
「体を無理なく動かし始めること」です。

体をゆっくり動かす
春は「動き始める」季節です。
でも、急に激しい運動を始めると体への負担になることがあります。
ウォーキング・軽いストレッチ・ヨガなど、
体を徐々に目覚めさせるような動きがおすすめです。

深呼吸・呼吸を意識する
気の巡りと呼吸は深く関わるとされています。
ゆっくりとお腹で呼吸する時間を、1日のどこかに作ってみてください。

目を休める
春は特に「目のケア」を意識してください。
スクリーンから目を離す時間、遠くを見る、目の周りを温めるなど、
日常に取り入れやすいことから始めてみましょう。

青・緑の食材を意識する
東洋医学では、春は「青(緑)色の食材」が肝を助けると言われています。
春菊・菜の花・クレソン・三つ葉など、
春の野菜を日常の食事に取り入れてみてください。

睡眠リズムを整える
気候の変化や新しい環境へのストレスが重なる春は、
睡眠が乱れやすくなります。
就寝・起床時間をできるだけ一定に保つことが、
体のリズムを安定させる基本です。

注意: セルフケアは補助的なものです。不調が強い・長期間続く場合は、医療機関への受診をご検討ください。

無理をしない、という春の過ごし方

春は「頑張り始める季節」でもありますが、
東洋医学的には「ゆっくり目を覚ます季節」でもあります。

新年度・新生活のスタートと重なることも多く、
気持ちが先走りがちになる時期でもあります。

「なんとなく疲れる」「調子が出ない」と感じたら、
それは体が「もう少しゆっくりでいいよ」と
サインを出しているのかもしれません。

無理をせず、自分のペースで体を整えていくこと——
それが、東洋医学的な春の養生の基本です。